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追悼:伝説のCCIE講師 荻窪公嗣さん

シスコシステムズ合同会社様に長年の友人でもあり、私自身が多くの影響を受けた最高にして伝説のCCIE講師、荻窪 公嗣さんの事を紹介するページを作成・公開して頂きました。荻窪さんにお世話になったCCIEホルダーの方も多くいらっしゃると思います。

私は荻窪さんのコースを受講したことは無いのですが、2005年にCCIEを取得した後にCCIE取得者の集まりで荻窪さんのコースを受講した方から“とにかく凄い先生なんですよ!ぜひ岡山さんに紹介したい!”と言われてお会いしたのがきっかけでした。

事前に聞いていた話では凄く厳しい熱血指導で受講者はお客さんなのに、“そんな事ではダメです!諦めても良いと思っているんですか!”と叱咤激励をし続けるというスタイルの講師と言うことで、どんな厳しい方なのかと思っていましたが、実際にお会いした印象は常に笑顔で“とにかく愉快で明るい方だな。”でした。その公私でのギャップが実に面白い方だなと印象に強く残っています。

そして2005年6月にお会いしてからその後すぐにCCIE Securityを取得され大変驚かされました。何せCCIE Securityは当時は海外でしか受験が出来ず、国内ではシスコ社外で2、3名程度の取得者という資格でしたので、CCIEをやっと1個取得したばかりの私は畏敬の念を強く抱いたものでした。その後の祝勝会でも“次はですね、CCIE Service Providerを受験するんですよ!”と明るい口調で仰られて、身近にこんな凄い人がいるのに自分は1個で満足していてはいけないなと、2つ以上を目指す大きなきっかけの1つを頂いたものです。

その後も事あるたびに荻窪さん、作本さん、そして私の3名は“非シスコ社員でCCIE3冠以上ナイト”と勝手に題した飲み会をし、誰かが合格すれば互いに祝い、喜び、そして“じゃあ次は非シスコ社員で4冠以上ナイトにしましょう!”とお互いに励ましあっていました。それぞれ会社も仕事内容も全く別ですし、その時に勉強する科目も全く別であるにも関わらず、互いが互いに刺激しあって報われる事の少なく辛いこの資格試験勉強を頑張るための支えとなっていました。

そんな中でも荻窪さんは特に明るくて、“いや~岡山さんは凄いな~、僕なんか全然追いつけないよ~”と上手に褒めてくれたり、私が合格すると自分の事のように大変喜んでくれまして、勉強を継続するモチベーションを維持するのに大変助けられました。

そんな荻窪さんが突如亡くなられたと訃報が飛び込んで来たのが2011年の中ごろのこと。本当にショックでした。当時私は研修で海外にいたのですが、周りの同僚にも心配されてしまうほど落ち込みました。その頃はCCIE試験勉強も止めていた時でしたが、加えて更にCCIEをまた勉強するかというモチベーションが落ちてしまいました。

しかし、その2年半後の2014年に作本さんがCCDEを取得しまだ頑張っている人がいるのに自分は情けない、それに荻窪さんならきっと“岡山さんなら出来るんだからやりましょうよ!”と笑顔で言うだろうと思い直し、再び勉強を始めた次第です。

更に荻窪さんのCCIEが失効してしまうと言うことに気が付き、シスコ様に何とか荻窪さんの情熱であったCCIEの延長なりステータスの永続が出来ないものかと、2014年に作本さんと私のインタビュー記事作成の折に2人でお願いをしました。しかし、世界初のCCIE取得者も既に故人でありステータスは失効と言うことで難しい、その代わりにメモリアルページなら作成して頂けるとのご回答を頂き、荻窪さんのご家族のご協力も得て今回の記事掲載となりました。

私は荻窪さんが亡くなった後に2つのCCIEを取得しましたが、もう荻窪さんが笑顔で喜んでくれないのがとても寂しいです。本当に残念です。試験直前には体重が落ちてしまうほどの追込みをされていたとは、生前には全く気が付きませんでした。それだけ人の前では常に明るく振る舞われていらっしゃたとは、1人の人間としても本当に凄い方であったのだと改めて尊敬し直しました。皆様にも少しでもそのような凄い方がいたと知って頂ければ幸いと思い投稿させて頂きました。

荻窪さん、本当にありがとうございます!僕は今でも頑張っています!でも、とても、とても寂しいですよ!

2015年5月30日

ルートリフ株式会社

代表取締役 岡山 義周

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