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CCIE Voice 受験記 4回目

2006年11月 ※当時のメモを元に2015年5月に作成しています。

前回の悲劇から何を間違えたのかを徹底的に解析してみた。そして驚愕の事実が判明した!

殆どケアレスミス!

。。。最悪だよ俺、何で気が付かないんだよ!やっぱりこの仕事向いてないんだろうか?そんな根本的な所まで考え直してしまうくらい自己嫌悪に陥る。でも次は、次こそは勝てる!その間にWさんも何とSPに合格したという嬉しい報告が!素晴らしい!こんなに良い刺激を貰ったのだから次に負けることは許されない!

とは言うものの相変わらず全くシドニーの空きがない。CCIE Voiceは本当に大人気だなぁ。という訳で例によって空席が出るまでしつこく、ねちこくチェックし続けるしかないと頑張っていると、現場で一緒に働いている天才エンジニアが席を譲ってくれた!ありがとうございます!次は勝って帰ってきますよ!そして祝の肉を食べましょう!

またもやYahooで格安航空券を探しまくる。カンタス航空で10万円くらい。ホテルも前回と同じにしよう。値段も1泊1万円で朝食付き!今回は観光は一切無しなので超強行スケジュール!試験の翌日には即帰国だ!そしてラボ代の16万がサポートされるかどうかは自分次第!

2006年10月31日

成田空港からシドニーへ向けて出発!飛行機では相変わらずダラダラする。もうこの飛行機にも暫く乗らないぞ!とiPodで音楽を聴きながら寝ていると、喉が渇いてきたのでCAさんに水をお願いしようと起きる。すると隣の恐らく大学生であろう白人カップルの彼氏の方が、IPsec何てタイトルの本を取り出して読み始めた。“おいおい、やめとけよ坊や、こんな汚れた世界に入ってくるのは!”と思い話掛けると全然違っていて、映像学科の学生さんで暗号化を解くハッカーの話を撮るから小道具に使うのだそうな。そして“君はITの勉強をしているの?どこの学校なの??”となめられた発言をされたので、

“黙れ小僧っ!”

と言いたかったけど、大人の余裕で流行りのアラサーである事を伝えると、“ええ!本当に?ふーむ、肉体は老化しないけど、その分だけ脳が進化し続ける男の話っていうのも面白いかもな。どう思う?”と彼女に意見を求めてメチャクチャ怒られていた。そして彼女さんがやたら謝ってくれたので、男には自分の世界があるんだ、良いって事よ。”と本当は阿修羅面怒りモードにも拘らずハードボイルドに余裕のある男を演じてみた。

2006年11月1日

さてシドニー空港に朝7時に到着。何せ40日前に来たばっかりだから流石に勝手も分かっている。ダイズだろうが何だろうが大丈夫!普通に3日の滞在だと告げると、“Only one bag? for 3 days?”とどうやらリュック1つで来た上に、最近来たことが怪しいと思われたらしい。いや、試験を受けるためだけに来たんだよ、明日受けて明後日の朝に帰るんだと言っても、“I don’t believe you!”と言われてしまった。いや、信じろよ!俺のこの瞳を見てみろよ!“そもそもだ、そんな試験があるなんて疑わしいな!いや、あるんだよ!嘘みたいな本当の話なんだよ!とCiscoについて説明し何とか通してもらえた。勘弁して欲しいですよ全く。スーツとかで来ればそんな事もないんでしょうけど。

さて、やっと入国審査を通過してシドニー空港最大の難関と言われる税関も、前回同様に食品は一切持ってきていないのでそのまま通過する。また難癖をつけられるんじゃないかとドキドキしたけど特に何事も無く地下に降りて電車に乗り一路Centralへ、大体20分くらいで到着してホテルへ向かう。

前回同様にホテルのチェックイン時間までは大分時間があるので荷物を預けて、近くのショッピングセンターにあるフードコートで時間を潰す事にした。さてと、今回はもう絶対に落ちる事は許されない!これ以上の出費は本当に夜のバイトが必要になるかもしれない!何としても避けなくては!とショッピングセンターにあるフリーインターネット コーナーからFromA CCOのサイトをチェックする。試験中に参考にする設定例のリンク切れが無いかを確認しておく必要があるので。

そしてチェックインの時間が近くなって来たのでホテルへ向かう。チェックインを済ませて部屋に入る。普通のビジネスホテルなので特に特筆すべきところも無い。小一時間ほど睡眠を取ってまた街中へ操出して水とサンドウィッチなど夕飯を買っておく。シドニー中心街なので大体何でも揃う。再び部屋に戻って勉強を再開すると、インターネットが繋がらない。

フロントに連絡すると業者が調査中との事で本日の料金はチャージしませんとのこと。あらら、うちの業界はこういう事でお客様に損失を出してしまうんだなぁ。単純に100部屋だとして一部屋1日1,000円と言うことは100 x 1,000 = 100,000円の損失か。次の作業は無償でとか言われちゃうんだろうか?ご愁傷さまです。などと他人の心配をしている場合ではないけど、インターネットが繋がらないのではどうしようもない。

先ほど買ってきた菓子などを食べながらドキュメントを軽く眺める。結局インターネットは夕方17時30分くらいに繋がってメールを見ても特に大層なものも無いので、ご飯を食べてさっさと寝て明日に備えますか。

2006年11月2日

朝6時起床。試験は8時00分からなので朝ごはんを食べにホテルの食堂へ。ビュッフェ形式の朝食を食べていざ出陣!iPodに入れてあるThe WhoのWon’t Get Fooled Again(もう騙されやしねぇ!)をオープニングに聴きながら駅へ歩いて向かう!そして電車に乗りChatswoodへ。通勤時間帯なので結構混んでいるけど、もちろん日本ほどではないです。

さて、試験会場に到着!今回はほぼギリギリに着いたのでそのままCiscoの受付へ、“CCIE Candi… Oh, yes you are”と受付のお姉さんに覚えられてしまったので再度Unfortunatelyと言ったら笑って“Yeah, good luck!”と笑いながら紙をくれた。今回もビーフバーガーを選択する。 受験者はR&S1名、Voice1名で合計2名。そしてまたあの小柄な白人のプロクタが登場!“お!来たな!前回はなんで落ちたかは分かったんだろ?”と言われたのでケアレスミスが多かったのが分かりましたよと伝えると、“そうだ、ケアレスミスだらけだった、今日は受かれよ!”と励ましのお言葉を頂く!Yes sir!と言うと“Nice guts!”と背中を叩いて笑ってくれた。

エレベータで上へ行き試験会場へ向かう。Voiceの席はIP Phoneが壁に掛かっているので一発で分かる。さて問題の入ったバインダーが置いてある!大丈夫、ぶつかっても痛くないさ!CCIE問題は友達!そんな悟りの境地に達している。(そうとうイッちゃってますね。)

今回は最短のパターンを考えて来たのでセクション順にやるのはもう無視!問題を読んで必要なコンポーネントを全部書き出して、まずはIOSコマンドを全部流し込む!圧倒的な速さでほぼすべてのセクションを一網打尽にする!70年代後半におけるエドワード・ヴァン・ヘイレン並の速弾きスピードで設定をこなしていく。

CCM、CRS、Unityも書き出したコンポーネント図を元に全て設定を最短パターンで入れ込んでしまう。そして確認を開始!内線・外線・SRST・QoS・Voice Mail・CRS・CCM Applicationの動きを確認し、第1周が終わるまでで2時間30分!!素晴らしい、素晴らしい速さだったぞ!ワールドタイムだ My Boy!

とは言え疑問点はあるのでプロクタに確認する。Unityについて確認をすると、“Unity?今どこまで終わったんだ?”と言われたので、設定は全部終わりましたよと伝えると、

“何?全部!?本当に全部設定し終わったのか!?お前は俺が今まで見た受験者の中で最もクレイジーな奴だ!”

と相当驚かれてしまった。そうだろうよ、何せこの40日間と言うもの前回の悔しさで毎日毎日、身を震わせてきたんだからなぁ!それくらいは言ってもらわないと雪辱を晴らしたとは言えないんでよぉぉぁ!そうさ、俺がJumpin’ Jack Flashなのさ!と相当な出来に完全にハイになって再確認を始めると、あっ、やべ、間違えてる、やっぱ調子こいてはいかんなと思い直せたところで“Ok guys, please start saving your configuration, we are going to lunch after 5 minute!”という訳でランチへ。

ラボ会場から1Fのカフェまで移動する。朝の受付時にチェックしたビーフバーバーを食す。プロクタが受験者に話掛けるが、R&Sの受験者はもう完全にダメだと首を振っている。その気持ちは良く分かるけど、諦めたらそこで試合終了ですよ。と偉大な先生のお言葉を教えてあげる。“そうだね、その通りだけど僕には無理だ。まさかこんなに難しいなんて思いもしなかったよ。”とプロクタが、“それがCCIEだ、その難しさをいかに乗り越えるかを考えてくれ、Voiceの君は時間が有り余ってるだろう?ケアレスミスが無いかを注意深くな。”と今回は実にまともな事を言ってるなと思ったら、“そうだ、君はR&Sも持ってるんだろ?じゃあ残りの時間助けてあげたらどうだ?あ、でも私がクビになるからダメだな。ハハハ”と相変わらずの陽気なフレーズを出していた。

そしてランチタイムが終了して試験部屋に戻り午後の部開始!再びチェックに次ぐチェックを繰り返す。何とまた間違いと言うか、見逃していた部分を発見!プロクタにも確認して“その通りだ。”とお墨付きをもらう。快心の一撃!もう間違えている所は一つもないだろうな、やったぜ!まさにスラムダンクだ!(スラムダンクしても結局は2点です。) 今回合格しなかったらこの試験は絶対受からないだろうなぁ。そして、“Last 5 minute! Please start saving your configuration!”という訳でwrを繰り返して終了。

そしてタイムアップ!今回は合格だろう、間違いなく合格!疑いの余地も無い!と思いたい。帰り際にプロクタにも“君は間違いなく合格しているだろうから、Voice受験者としては会わないだろうけど、トリプルを目指すのか?”と聞かれたので、次は日本でも受験できるCCIE Securityを考えていますと伝えると、“Good luck!!と言ってくれて握手をし、お礼を言って試験会場を後にする。

そして夕飯を食べようと近くのショッピングセンターへ。今回は合格率99%と言っても過言ではない出来だったし、ちょっと良いものを食べようと少し高そうなシーフードレストランへ入る。ウェイトレスさんがメニューを持ってきてくれて見てみるけど正直良く分からないので、お勧めを聞いてみる。“何でも美味しいけど、今日はイカのフライとステーキ、あとクラムチャウダーのセットがお勧めね!”との事でそれをお願いする事に。オーダーを取るたびに“Cool!”と両手の親指を上げる仕草をするのが可愛らしい。Two thumbs upは世界共通だな。

どうやら店自体は暇らしく、ウェイトレスさんがやたら話をしてくれる。なんでも海洋学専攻の学生さんとの事で、まずい!鯨に熱い人だったらどうしよう!とビクビクしていると、“お客さんはどちらから?イギリス?香港?”いやいや、そりゃブルース・リーには憧れてるけど、身元を偽ってもしょうがないので日本からだよと言うと。“本当に?私、日本好きなのよ!卒業旅行で日本に行こうと思ってるんだけど、どこがいいかしら?”と聞かれたので文化的なものが見たいなら京都、買い物なら普通に東京を勧めると、

“ありがとう!良かったら今夜は私の友達がパーティやるんだけど来ない?あなたも学生でしょ?“

出たよ、出ちゃったよ、お約束のセリフが、、、流行りのアラサーだと告げると“えー!失礼な事を言ってごめんなさい!試験を受けたって言ってたから!”と言ってバツ悪そうに戻って行った。けど、同僚のウェイトレスとこっちを見てヒソヒソ話をしているよ、絶対俺の話してるよ、“あれで30近いんだって、マジ キモくない?”って言われてるよ、あー嫌だ嫌だ!(繰り返しますが欧米文化で男性が年下に見られるのは良い意味では無い事が多いのです。)

後味悪くレストランを後にしてホテルへ戻る。メールをチェックするけどまだ合否メールが来ていない。まぁしょうがないので寝ることにしますか。

2006年9月23日

朝5時に起床。メールを確認してみると、来た!合否メールが!Webページにアクセスする。

もうこれ以上は技術的にも金銭的にも精神的にも無理だ!頼む!俺に、俺にPassをくれ!ギィブ ミー パーーーース!

“Pass”

ドライブシューーーーーート!(意味不明。) よっしゃーーー!これでやっと、やっとCCIEダブルホルダーだ!しかもR&SとVoiceでとは、なーんてマニアックなんだ!

そして恒例のメール攻撃を出しまくり、喜びに耽りながらも朝9時のフライトなので朝ごはんを食べて早々にCentral駅から空港へ向かう。そして空港に着きチェックインをする。これで心置きなく機内でダラダラ出来るといつも以上に何も考えずにダラダラして過ごす。

このCCIE Voiceは本当に大変だった。1年で済んで本当に良かった!Voice系のプロジェクトに参加しなかったら取得は不可能だったんじゃなかろうか?電話系の経験が無い人間には相当キツイ試験でした。コーデックって会社名ですか?という所からのスタートは正に地獄!R&Sの様に基本知識がある所からではなかったので本当に難しく感じたなぁ。でも、この山を乗り越えたんだから他のトラックは大丈夫じゃないかな?ここまでの苦戦はもうないだろうよ!、、、だと願いながら今回の死闘は幕を閉じた!

第2部完

To be continued…

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